「ストロボ」で何ができる?
ひと言で解説
「ストロボ」は、レイヤーを特定の色でリズミカルに点滅させたり、表示・非表示を繰り返したりすることができるエフェクトです。
こんな人におすすめ
- ミュージックビデオ(MV)のように、音楽に合わせて映像を点滅させたい
- 映像にフラッシュのような効果を加えて、インパクトを出したい
- 壊れたネオンサインや、警告灯のようなチカチカした表現を作りたい
- モーショングラフィックスで質感をプラスしたい
基本情報
各種対応状況
・マルチフレームレンダリング:○
・GPUアクセレーション:×
・カラー:8bit
カラーの対応が8bitなのでご注意ください。
エフェクトの場所
エフェクト&プリセット > スタイライズ > ストロボ
主要なパラメータ解説
パラメータについて
1. ストロボカラー
「ストロボ」を「カラーのみ適用」に設定した際の、点滅する色を指定します。
デフォルトは白ですが、赤にすれば警告灯のように、黒にすれば映像を一瞬暗転させるような効果が得られます。
2. 元の画像とブレンド
元の映像とストロボ効果をどのくらい混ぜ合わせるかをパーセンテージで設定します。
0%だとストロボ効果が100%適用されます。
100%に近づけるほど、ストロボ効果は薄くなります。
3. ストロボの長さ
点滅がONになっている時間(秒)を設定します。
この値を0.1のように短くすると「パッ、パッ」という鋭い点滅に。
0.5のように長くすると「ジー、ジー」というゆっくりとした点滅になります。
4. ストロボ間隔(秒)
点滅が繰り返される周期(秒)を設定します。
この値が小さいほど、速く点滅します。
音楽のBPMに合わせて設定すると、リズミカルな表現が簡単に作れます。
注意点!!!!
必ず『ストロボの長さ』 < 『ストロボ間隔』となるように設定します。
こうしないと、点滅がOFFになる時間が全くないまま、常にONの状態が続いてしまい、
効果が全くかかっていないように見えてしまいます。
5. ランダムストロボ確率
設定した確率で、ランダムにストロボを発生させるかどうかを決めます。
0%の場合は「ストロボ間隔」で設定した通りの規則的な点滅になります。
100%にすると完全にランダムなタイミングで点滅し、壊れた電灯のような表現に最適です。
6. ストロボ
点滅の「方法」を切り替える、最も重要なパラメータの一つです。
- カラーのみ適用: レイヤーを表示したまま、「ストロボカラー」で設定した色を上に重ねて点滅させます。フラッシュ効果など、色を乗せたい時に使います。
- レイヤーを透明にする: レイヤー自体をON/OFF(表示/非表示)して点滅させます。映像を完全に消したい、パッパッと見せたい時に使います。
7. ストロボ演算子
元の映像と「ストロボカラー」をどのように合成するか(重ねるか)を指定します。
この設定は「ストロボ」が「カラーのみ適用」の時に有効になります。
コピー: 元の映像を無視して、指定した「ストロボカラー」で完全に塗りつぶします。(画像の設定はこれです)
加算 or スクリーン: 元の色と「ストロボカラー」を足し合わせるように合成します。映像が明るくなり、発光しているような表現(フラッシュなど)に適しています。
8. ランダムシード
ランダムな点滅のパターンを変更するために使います。
そのため、「ランダムストロボ確率」を0より大きく設定した際に有効になります。
「何かパターンがしっくりこないな」という時にこの数値を変えるだけで、違うランダムな結果を手軽に試すことができます。
実践的な使い方(簡単チュートリアル)
点滅に弱い方はご注意ください!
映像全体に白いフラッシュ効果をかける簡単な手順を解説します。
タイムラインパネルで右クリック > 新規 > 調整レイヤー を作成します。
作成した調整レイヤーが、効果を適用したい映像レイヤーの上にあることを確認します。
エフェクト&プリセットパネルから「ストロボ」を検索し、調整レイヤーにドラッグ&ドロップします。
ポイント: 調整レイヤーを使うことで、その下にある全てのレイヤーに対して一度にエフェクトを適用できます。
エフェクトコントロールパネルで、「ストロボの長さ」を 0.05 のように短く設定します。これで「パッ」と光る短いフラッシュになります。
「ストロボ間隔(秒)」を 0.5 に設定します。これで0.5秒ごとにフラッシュが発生します。
「ストロボ」が「カラーのみ適用」になっていることを確認します。
「ストロボカラー」が白になっていることを確認します。
これで、映像全体が0.5秒間隔で白く点滅するアニメーションが完成です。
応用テクニック・組み合わせの例
「ポスタリゼーション時間」と組み合わせてレトロな質感をプラス
ストロボエフェクトに「ポスタリゼーション時間」というエフェクトを組み合わせることで、まるで古い8mmフィルムで撮影したかのような、懐かしい質感を手軽に作り出すことができます。
ポスタリゼーション時間: 映像のフレームレート(1秒あたりのコマ数)を意図的に落とし、カクカクした動き(コマ落ち感)を作るエフェクト。
簡単な作成手順
STEP 1: 調整レイヤーの準備
映像全体に効果を適用するため、新規に調整レイヤーを作成し、一番上のレイヤーに配置します。
STEP 2: ストロボで光の「ちらつき」を作る
- 調整レイヤーに「エフェクト > スタイライズ > ストロボ」を適用します。
- パラメータを以下のように設定します。
- ストロボカラー: 白
- 元の画像とブレンド: 95%ポイント: この数値を高くすることで、フラッシュが元の映像に「うっすら」と乗り、さりげない光のちらつきになります。
- ストロボの長さ: 0.05
- ストロボ間隔(秒): 0.30
- ランダムストロボ確率:50%
- ストロボ: カラーのみ適用
- ランダムシード:13000

STEP 3: ポスタリゼーション時間で「コマ落ち感」を出す
- 同じ調整レイヤーに「エフェクト > 時間 > ポスタリゼーション時間」を追加します。
- 「フレームレート」を 12 〜 15 程度の低い数値に設定します。(今回は12)
さりげない作業ですが、見比べてみると仕上がりに差が出ます。
まとめ
「ストロボ」の要点
- 映像やテキストをリズミカルに点滅させることができる。
- 「ストロボの長さ」と「ストロボ間隔」で点滅のリズムを自由に制御できる。
- 特定の色で点滅させるか、レイヤー自体を透明にするかを選べる。
- 調整レイヤーに適用すれば、シーン全体に効果をかけられて便利。
こんなシーンで使える!
「ストロボ」エフェクトは、単純ながら非常に強力なツールです。
MVやVlogでの音楽に合わせた演出はもちろん、ホラーやSF作品での緊迫したシーンの照明表現、モーショングラフィックスのレトロ効果など、アイデア次第で様々な場面で活躍します。
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