【ポスタリゼーション解説】色の階調を減らしてアニメーション【AEエフェクト】

目次

ポスタリゼーションで何ができる?

ひと言で解説

「ポスタリゼーション」は、映像の色の階調(グラデーションの滑らかさ)を意図的に減らし、イラストやアニメ、ポスターのような独特のビジュアルを作り出すことができるエフェクトです。

モーショングラフィックスの方が、実写よりも使いやすいかもしれません。(あくまで個人の感想)

※似たような名前で、「ポスタリゼーション時間」がありますが、こちらはフレームレートを減らす(30fps→15fps)効果があります。

こんな人におすすめ

  • 実写映像を手軽にイラストやアニメのような見た目に加工したい
  • 単調な映像に、デザイン的なアクセントを加えたい
  • レトロで味のある雰囲気の映像を作りたい

基本情報

各種対応状況

・マルチフレームレンダリング:○
・GPUアクセレーション:×
・カラー:8bit,16bit,32bit

エフェクトの場所

エフェクト&プリセット > スタイライズ > ポスタリゼーション

主要なパラメータ解説

パラメータは1つだけ!

1. レベル

映像の各カラーチャンネル(赤・緑・青)に対して、それぞれ何段階の色で表現するかを設定します。

この数値を小さくするほど、使える色の数が少なくなり、色の境界がハッキリとした、のっぺりとしたイラストのような見た目になります。逆に数値を大きくすると、元の映像の滑らかな階調に近づきます。

レベル: 8:まだ写真のディテールが残っていますが、肌や背景のグラデーションが少し単純化されています。

レベル: 3:色の階調が大幅に減り、影の境界などがくっきりと分かれた、まさにイラストのような見た目になりました。

レベル:8
レベル:3

写真ではなく、グラフィックの方がわかりやすいかもしれません。
こちらは平面レイヤーに4色グラデーションを適用し、そこにポスタリゼーション(レベル:8)を追加したものです。

レベル2→20を動画で表すとこちらの通り。

実践的な使い方(簡単チュートリアル)

シェイプレイヤーやグラデーションと組み合わせて、背景アニメーションを作成する方法を解説します。

ポスタリゼーションは、滑らかなグラデーションをくっきりとした色の層に分けることができるため、モーショングラフィックスと非常に相性が良いエフェクトです。

STEP
ベースとなるグラデーションを作成する
  1. まず、新規平面レイヤーを作成します(ショートカット: Ctrl+Y / Cmd+Y)。サイズはコンポジションに合わせ、カラーは何色でもOKです。
  2. 作成した平面レイヤーに、「エフェクト > 描画 > 4色グラデーション」を適用します。
  3. エフェクトコントロールパネルで、4つの色をお好みの色に変更します。ここでは、初期値のままにします。
STEP
ポスタリゼーションを適用し、デザイン的な見た目にする
  1. STEP 1で作成した平面レイヤーに、そのまま「エフェクト > スタイライズ > ポスタリゼーション」を適用します。 ポイント:エフェクトは上から下に処理されるため、「4色グラデーション」の下に「ポスタリゼーション」が配置されていることを確認してください。
  2. エフェクトコントロールパネルで、ポスタリゼーションの「レベル」の数値を「4」や「5」など、低い値に設定します。
  3. すると、滑らかだったグラデーションが、くっきりとした色の層に分かれ、まるでイラストで描いたような、デザイン的な背景に変化します。
STEP
グラデーションをアニメーションさせる
  1. 時間インジケーターをアニメーションの開始位置(通常は0秒)に合わせます。
  2. 「4色グラデーション」エフェクトの「ポイント1」「ポイント2」「ポイント3」「ポイント4」の4つのプロパティのストップウォッチをすべてクリックし、キーフレームを打ちます。
  3. 次に、時間インジケーターをアニメーションの終了位置(3秒後)に移動させます。
  4. 4つのポイントの位置を、それぞれドラッグして動かします。例えば、時計回りにそれぞれの位置をずらすように動かしてみましょう。自動的に新しいキーフレームが打たれます。

グラデーションの位置が動くことで、ポスタリゼーションで生まれた色の境界線が、うねうねと動くアニメーションが完成しました。

今回は例なのでちょっと気持ち悪いですが(笑)。
このように簡単に背景を作成できます。

応用テクニック・組み合わせの例

他のエフェクトとの組み合わせ

カートゥーンで輪郭線をくっきりさせてみる

輪郭線を加えたい場合におすすめです。「エフェクト > スタイライズ > カートゥーン」をポスタリゼーションのに適用すると、輪郭線が描画されて、セル画アニメのような見た目に仕上げることができます。

エクスプレッションとの組み合わせ

wiggleでガチャガチャさせる

「レベル」のパラメータに簡単なエクスプレッションを適用すると、面白い効果が生まれます。 「レベル」のストップウォッチを Alt(Option)キーを押しながらクリックし、表示された入力欄に wiggle(3, 20) と入力してみましょう。 これにより、レベルの値が1秒間に3回、最大20の範囲でランダムに変化し、不思議な映像になります。
ちょっと怖い…笑

まとめ

ポスタリゼーションの要点

  • ポスタリゼーションは、映像の色の階調を減らすエフェクト。
  • 主要パラメータは「レベル」のみ。数値を下げるだけで簡単にイラスト・アニメ調の見た目になる。
  • キーフレームを使えば、徐々に見た目を変化させるアニメーションも作成可能。
  • 「カートゥーン」や「ノイズ」と組み合わせることで、さらにクオリティの高い表現ができる。

こんなシーンで使える!

少し変わったアクセントを加えたい時に非常に便利なエフェクトです。

個人的には実写で使うのは難しそうなので、モーショングラフィックスの背景などで活用すると良いと思います!

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この記事を書いた人

フリーランスの映像クリエイター/モーションデザイナー。
「一生勉強」を座右の銘としているが、三日坊主が大得意。
2025年8月にVOOKスクール/モーショングラフィックスコースに入校し、
日々AfterEffectsと戦っている。

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