CC Block Loadで何ができる?
ひと言で解説
「CC Block Load」は、レイヤーをブロックで描画(ロード)していくような、デジタルでレトロなアニメーションを制作できるエフェクトです。
こんな人におすすめ
・一昔前のウェブサイトの画像読み込み風アニメーションを作成したい
・テキストやロゴをゲームのロード画面のように登場させたい
・映像にサイバーな、あるいは8-bit風の演出を加えたい
・モニター画面やHUD(ヘッドアップディスプレイ)の表現を作りたい
難しいキーフレームをたくさん打たなくても、パラメータを少し調整するだけで、
プロのようなアニメーションが簡単に作れます。
基本情報
各種対応状況
・マルチフレームレンダリング:○
・GPUアクセレーション:×
・カラー:8bit,16bit,32bit
エフェクトの場所
エフェクト&プリセット > スタイライズ > CC Block Load
主要なパラメータ解説
重要な4つのパラメータについて
1. Completion
アニメーションの進行度を0%から100%で制御します。このエフェクトの心臓部です。
0%が描画開始、100%で描画完了となります。キーフレームを打ってアニメーションさせるのが基本です。
2. Scans
ブロックを何回のパス(走査)で描画するかを設定します。
値を大きくすると、複数回に分けて重ね描きするように描画が進むため、
より複雑なローディング表現になります。
「Scans: 1」はシンプルに描画、「Scans: 5」は何度も走査して描画する複雑な見た目。
3. Start Cleared
アニメーション開始時の状態をオン/オフで切り替えます。
オン (デフォルト):
レイヤーが何もない透明な状態から始まり、ブロックが追加されていく形で画像が描画されます。
オフ:
最初から画像が表示されており、
Completionが進むにつれてそれが詳細になっていく形で描画されます。
※ただしScansが1の場合は特に変化がありません
4. Bilinear
描画されるブロックの画質(サンプリング方法)を切り替えます。
オン:
ブロックの境界が滑らかになり、ぼかしがかかったような状態になります。
オフ:
境界がクッキリしたシャープ(ピクセル調)な見た目になり、レトロゲームのような表現に適しています。
実践的な使い方(簡単チュートリアル)
レトロなウェブサイトの画像読み込み風アニメーションの作例です。
コンポジションにロゴやテキストのレイヤーを配置します。
エフェクト&プリセットパネルで「CC Block Load」を検索し、レイヤーに適用します。
再生ヘッドを0秒に合わせ、Completionの値を0%にしてストップウォッチアイコンを押し、キーフレームを打ちます。
再生ヘッドを2秒後に移動させ、「Completion」の値を100%にします。
これで、2秒かけてロゴが描画されるアニメーションの基本ができました。
「Bilinear」のチェックをオフにします。
これで、ブロックがカクカクしたドット絵のような見た目になります。
「Scans」の値を3くらいに上げます。
描画プロセスが少し複雑になり、より「ロードしている感」が出ます。
Start Clearedのオン/オフを切り替えると、アニメーションの開始パターンが変わります。
今回はオンのままにします。

これで、レトロなウェブサイトの画像読み込み風アニメーションの完成です。
応用テクニック・組み合わせの例
他のエフェクトとの組み合わせ
「モザイク」でより複雑に
「CC Block Load」の前に「モザイク」エフェクトを適用すると、描画されるブロックの元になる画像の解像度を意図的に下げることができ、よりコントロールされた粗い表現が可能です。
水平(垂直)の値を上げていくことで鮮明になります。
粗い表現を残したい場合は、数値の上げ幅で調整できます。
グローで光らせる
「CC Block Load」の後に「グロー」をかけると、描画されていくブロックが発光しているように見え、
サイバーな印象をアップさせることができます。
両方とも、コンポジットオプションの「エフェクトの不透明度」を調整することで、
適用時間をコントロールできます!
エクスプレッションとの組み合わせ
loopOut()でループさせる
Completionパラメータに打ったキーフレームを選択し、
Alt(Option)を押しながらストップウォッチをクリック。
loopOut(“cycle”)と入力すると、ロードアニメーションを簡単にループさせることができます。
監視カメラの表示などを表現するのに便利です。
まとめ
CC Block Loadの要点
・レイヤーをブロックで描画・ロードしていくスタイライズ系エフェクト。
・Completionパラメータでアニメーションを制御するのが基本。
・Bilinearのオフで簡単にレトロ・ピクセル調の見た目が作れる。
・Scans, Start Clearedで描画プロセスを多彩に演出できる。
こんなシーンで使える!
・オープニングタイトル: ロゴやテキストをゲーム風に表示させる。
・劇中表現: PCの画面やハッキングシーン、システムの起動シークエンス。
・トランジション: 全画面に適用して、シーンからシーンへのユニークな切り替えとして活用。
比較的に操作が簡単なエフェクトです。
レトロブームの昨今、利用する機会も多いかもですね!
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