モーションタイル|繰り返す背景の作り方と、タイル・出力範囲・反転の違い

モーションタイル:素材を繰り返して背景をつくる。タイル・出力範囲・反転の基本

モーションタイルは、1枚の素材を繰り返して並べるエフェクトです。ロゴを敷き詰めた背景や反転模様を作れるほか、素材を動かす際に画面端を補う用途にも使えます。

この記事で使用したAEプロジェクトを無料ダウンロードできます。ダウンロードは記事の最後から。

左が適用前、右が適用後。小さくしたタイルを繰り返し、タイルの中心を動かしています。
目次

モーションタイルはどこにある?

適用場所はエフェクト → スタイライズ → モーションタイル。今回の作例はAfter Effects 26.5、8bpc、1280×720px、30fps、6秒です。素材は320×240pxのプリコンポーズを使い、折りたたみ変換はOFFにしています。

320×240pxのタイル素材。PAS文字、右向き矢印、色帯と丸を配置
繰り返す単位はこのコンポ全体。文字の周囲の余白もタイルに含まれます。

まず押さえたい、タイルと出力範囲の違い

タイルの幅・高さは「繰り返す1枚の大きさ」、出力幅・高さは「描画する範囲」です。どちらも入力レイヤーの寸法を100%として扱います。出力を広げても、タイル自体が大きくなるわけではありません。

項目役割今回の素材での例
タイルの幅・高さ素材を縮めて繰り返す単位を決める幅50%なら1枚の横幅は160px
出力幅・高さ繰り返した結果を描く範囲を決める出力幅400%なら描画幅は1280px
タイルの中心繰り返し模様の位置を動かす素材内の中心は[160,120]
ミラーエッジ隣接するタイルを反転させる文字も反転するため、ロゴ背景ではOFF
フェーズ/水平フェーズシフト交互の列・行のずれと、その方向を変える0°から90°へ変えて見え方を比較

基本例:小さく並べて、横へ流す

  1. 320×240pxのコンポを作り、背景・PAS文字・矢印・丸を配置します。隙間を空けたいときは、この素材内に余白を設けます。
  2. 1280×720pxの親コンポへ素材コンポを配置し、モーションタイルを適用します。適用前後の比較では、同じ素材をもう1枚置いています。
  3. タイルの幅・高さを50%、出力幅・高さを175%に設定。ミラーエッジはOFF、フェーズ0°、水平フェーズシフトOFFにします。
  4. タイルの中心を0秒[160,120]、6秒[320,120]でキーフレーム設定。補間はリニアにし、一定速度で右へ流します。
基本例の実際のエフェクトコントロール。タイル50%、出力175%
0秒の設定。タイルの中心は素材レイヤーの座標で指定します。

この例の描画範囲は560×420pxです。タイルの中心を動かすと、中の模様がスクロールします。親コンポを埋めたい場合は、次の応用例のように出力範囲を広げます。

パラメータを比較する

タイルの幅・高さ:模様の密度と縦横比

タイルの幅100%、50%、25%を比較。高さと出力範囲は固定
幅だけを下げると横に圧縮され、繰り返しが増えます。
タイルの高さ100%、50%、25%を比較。幅と出力範囲は固定
高さだけを下げると縦に圧縮されます。縦横比を保つなら幅・高さを同じ割合にします。

出力幅・高さ:絵のサイズを保って範囲を広げる

出力幅50%、100%、200%を比較。タイル寸法は100%固定
幅50%では左右が切れ、200%では隣のタイルが見えます。比較パネル外の描画は切り取っています。
出力高さ50%、100%、200%を比較。出力幅とタイル寸法は固定
上下に広がる範囲の比較。タイル自体の大きさは変わりません。

素材が小さい場合、出力100%のままでは親コンポを埋められません。必要な比率は親コンポの幅÷素材の幅×100、高さも同様です。今回は1280÷320×100=400%、720÷240×100=300%になります。これはレイヤーのスケール100%・回転0°で中央に置く場合の目安です。

ミラーエッジ:模様をつなぐ/文字は反転する

左はミラーOFF、中央はON、右はONのままフェーズ90°
左と中央でミラーの違い、中央と右でフェーズの違いを比較。PAS文字と矢印も反転します。

フェーズ0°でミラーエッジをONにすると、隣のタイルが鏡像になります。幾何学模様には便利ですが、文字を読ませたいロゴ背景には向きません。また、反転で境界を合わせても、自然な模様になるとは限らないため素材を見ながら判断します。

フェーズと水平フェーズシフト:並び方を変える

フェーズ0°、90°の縦ずれ、90°の横ずれを比較
ミラーOFFで比較。水平フェーズシフトONで、ずれの方向を切り替えています。

フェーズはレイヤー全体の回転ではなく、交互の列・行をずらす設定です。中心のアニメーションと組み合わせれば、模様の流れ方にも変化を付けられます。

応用1:PASロゴが流れ続ける背景

文字を反転させず、1タイル分だけ右へ流す6秒の背景。
項目設定
素材/親コンポ320×240px/1280×720px
タイルの幅・高さ100%/100%
出力幅・高さ400%/300%
ミラー/フェーズ/水平シフトOFF/0°/OFF
タイルの中心0秒[160,120] → 6秒[480,120]、リニア
レイヤーの変形位置[640,360]・スケール100%・回転0°
  1. 基本例と同じPAS素材を親コンポの中央へ置き、タイルの幅・高さを100%へ戻します。
  2. 出力幅400%・出力高さ300%にして、画面全体へ並べます。文字を正しく読めるようにミラーエッジはOFFにします。
  3. タイルの中心の最後のキーを[480,120]へ変更。6秒で素材1枚の幅320pxを移動させます。
  4. 0秒と6秒で模様が同じ配置へ戻る周期にしています。6秒のキーは終了境界に置き、書き出すフレームは0〜5秒29フレームです。
PASロゴ背景の実設定。タイル100%、出力400×300%、ミラーOFF
素材の寸法を変えた場合は、出力比率と移動量も合わせて調整します。
ロゴ背景でタイルの中心にキーフレームを設定したAEタイムライン
動かすのはレイヤーの位置ではなく、モーションタイルの「タイルの中心」です。

タイルの中心は素材内の座標なので、親コンポが1280×720pxでも開始点は[160,120]です。今回の動画プレーヤーは自動ループ設定ではありません。

応用2:反転を活かした万華鏡風の模様

三角・丸・帯の素材を反転してつなぎ、斜めに流した模様。
項目設定
素材320×240pxの三角・丸・帯
タイルの幅・高さ100%/100%
出力幅・高さ400%/300%
ミラー/フェーズ/水平シフトON/0°/OFF
タイルの中心0秒[160,120] → 6秒[800,600]、リニア
レイヤーの変形位置[640,360]・スケール100%・回転0°
  1. 320×240pxの新しい素材コンポを作り、斜めの三角や丸を配置します。文字を使わず、反転しても成立する形にします。
  2. 親コンポへ配置してモーションタイルを適用。出力400%・300%、タイル100%・100%、ミラーON、フェーズ0°にします。
  3. タイルの中心を[160,120]から[800,600]へリニアで動かします。横640px・縦480pxと、反転を含む2タイル分を移動させています。
反転模様の実設定。ミラーエッジON、フェーズ0°
放射状に分割するエフェクトではなく、縦横の反転で万華鏡風に見せる作例です。

つまずきやすいところ

透明な隙間も一緒に繰り返される

プリコンポ内の透明部分もタイルの一部です。絵だけを詰めたいなら素材コンポの寸法を見直し、余白をデザインに使うならそのまま残します。素材の背景を不透明にするだけでは、不要な余白そのものはなくなりません。

出力を広げても、画面外は書き出されない

出力幅・高さを上げても、最終コンポの外側は映りません。レイヤーの移動・回転を加える場合は、動いた後も画面を覆う範囲が必要です。端を補う用途ではタイル100%・ミラーON・フェーズ0°から始め、動きに応じて出力だけを必要量に広げます。元の映像に存在しない部分を反転して補うため、人物や文字が映る素材では反復が目立つことがあります。

出力範囲を必要以上に大きくしない

大きい出力は処理負荷や必要メモリを増やします。まず画面を埋める値を計算し、動きに必要な余裕だけを追加します。また、素材を後から拡大すると元画像の解像度が不足するため、見せたい大きさに合う素材を用意します。

CC RepeTileとの使い分け

今回のように、タイルの大きさ・中心位置・交互のずれを調整したいならモーションタイルが分かりやすい選択です。上下左右を個別に拡張したいときや、繰り返し方を選びたいときは、CC RepeTileの解説も参考になります。

設定の意味はAdobe公式のモーションタイル解説も参照できます。他のエフェクトはAEエフェクト辞典から探せます。

作例プロジェクトをダウンロード

モーションタイル 作例プロジェクト v1.0(ZIP・約169KB)

基本例、比較6種類、ロゴ背景、反転模様の編集可能なAEPと「はじめに.txt」を収録しています。After Effects 26.5/8bpcで作成。外部画像・動画素材や追加プラグインは不要です。使用フォントはヒラギノ角ゴシックとArial。フォント本体は含まず、環境にない場合は置き換えてください。

学習・個人制作での利用と改変は可能です。商用利用は個別にご相談ください。

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この記事を書いた人

フリーランスとしてPASを運営し、モーションデザインや映像制作を中心に活動しています。

映像をつくることだけでなく、情報をどう捉え、どう組み替え、どう伝えるかという「編集」に関心があります。

また、越境学習に関わる現場にも参加し、対話や問いを通じた学びの場づくりにも取り組んでいます。

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